リノブル用語解説 Part1.『シーリング材』
皆さま、こんにちは!
この度も「リノブルスタッフブログ」にお越しいただき、ありがとうございます!
レアテック株式会社の羽根木晃子です。
私たち「RENOBLE/リノブル」は、アパート・マンションなどの建物の調査診断と、屋上などの防水工事、
外壁塗装などなど建物の各種修繕改修工事を専門に行っております。大きな括りで言うと「建設業」になります。
どの業界にもあると思うのですが、その業界ならではの、その業界に携わっている人にしか分からない用語があって、
「建設業」でも沢山の業界用語があります。
そこで、今回は「リノブル用語解説」と題しまして、皆さまに知っていただきたい建設業界の用語について、
定期的にこのブログで分かりやすく解説していきたいと思います!
記念すべき1回目の用語は「シーリング材」についてです。
「シーリング材」とは、建物や設備の設置の際、材料と材料の間にできてしまう隙間を埋めることを目的とした材料です。
もしかしたら、「コーキング」と聞いてピンとくる方もいらっしゃるかも知れませんが、
「シーリング」と「コーキング」に大きな違いはなく、呼び方が違うだけでどちらも同じものとして扱われています。
こちらでは「シーリング」と呼ばせていただきたいと思います。
その特徴は、
- 材料同士をつなぎ合わせることが可能(密着性)
- 常温では液状であり、時間が経つことで硬化する(凝固性)
- 水や空気を通さない(密閉性・断熱性)
- ゴムのように衝撃を吸収する(弾力性)
以上のような特徴から、建物を雨水から護る役割も果たしてくれています。
例えば、サイディングボードやALCボードでつくられた外壁は、複数のボードを張ってできており、
その隙間をシーリング材で埋めています。
シーリング材は、建物の歪みや熱によるボードの伸縮によって、ボードとボードのつなぎ目
(目地(めじ)と言います)が動く事から、その動きに追随するために、柔軟性が高いものである必要があります。
ですが、シーリング材も外壁同様、紫外線や雨水で劣化し柔軟性が徐々に低下していきます。
シーリング材が劣化すると、劣化した箇所から建物内部へ雨水が浸入してしまう恐れがあるため、
シーリング材は定期的な補修をする必要があるのです。
では、シーリング材の劣化の種類と補修するタイミングについてご紹介します。
【チョーキング現象(白亜化現象)】
紫外線や雨を浴び続けることで、シーリング材の成分である樹脂や顔料が分解されて、
粉状になって表面に現れる現象を言います。
こちらの写真の指についている白い粉状のものが、シーリングのチョーキング現象によるものです。ひび割れ、破断も確認できます。
チョーキング現象は、シーリング劣化の初期段階ですので、今すぐに補修をする必要はありません。
【表面のひび割れ】
チョーキング現象が進行していくと、次第にシーリング材の柔軟性が失われてひび割れをおこします。
シーリングには、柔軟性をもたせる為に可塑剤(かそざい)というものが含まれていますが、
その可塑剤が紫外線によって気化し、柔軟性が失われてしまい、その結果ひび割れという現象が起きてしまうのです。
【肉やせ・破断・剥離】
肉やせとは、何度も繰り返しになってしまいますが、紫外線などを浴び続けたことによって、シーリングに含まれている
可塑剤が表面に溶け出し、シーリングの厚み自体が減少してしまうことです。
新築時に施工した際のシーリングの厚み不足や、シーリング材をしっかり密着させるために塗る「プライマー」と
呼ばれる下塗り材の不足も原因としてあげられます。
こちらの写真をご覧ください。↓
表面のひび割れや、肉やせを放置していると、ご覧のようにシーリング破断や、外壁とシーリング自体が剥離してしまいます。
このような剥離・破断した箇所から雨水が浸入して、漏水の原因となるのです。
また、シーリングの劣化を身近なもので例えるならば、「輪ゴム」です。
輪ゴムを長い間、陽の当たる場所に放置していて、いざ、使おうとした時に、硬くなって切れてしまった。
このような経験、ありませんか?
輪ゴムの劣化も、時間の経過に伴う紫外線などにより成分が分解されておきていて、シーリングの劣化も同じ原理になります。
シーリング材の耐久年数は、私たち「RENOBLE/リノブル」の基準では約5年~8年です。
ですが、ひび割れや剥離などの症状が出たら、できるだけ早く補修をしてください。
応急処置として、ひび割れの場合は既存のシーリングの表面にシーリング材を塗布する「増し打ち工法」で
補修をすれば、表面のひび割れの進行を防ぐことも可能ですが、剥離や破断の場合は、
劣化しているシーリング材を撤去して、新たにシーリング材を充填する「打ち替え工法」での補修が必要となります。
ここで!シーリング工事業者の選定には注意してください!!
シーリングが剥離・破断など「打ち替え工法」でしか補修できない劣化をしているのに、
「増し打ち工法」で費用を押え、見積りを安く提示してくる業者もいるからです!
劣化しているシーリングを撤去せずにその上から新しいシーリング材を充填しても、
シーリングの役割を十分に発揮できませんし、余計に無駄な費用を掛けるだけの工事になってしまいます。
ですので、「まだ、増し打ち工法で大丈夫ですよ~」や
「増し打ち工法のほうが手間や費用を抑えることができるので、うちのほうが安く工事できますよ!」
などと言ってくるような業者には注意しましょう。
もちろん、劣化していない場合は「増し打ち工法」でも問題ない場合もあります。
いずれにしましても、シーリング材の劣化症状をみつけたら、まずはシーリングの状態を専門の業者に
診断してもらう事をオススメします。そして、必ず相見積りを取り、工法の確認を行いましょう。
私たち「RENOBLE/リノブル」は、建物診断のプロフェッショナルであると同時に
今日のテーマとしました「シーリング工事」を得意としております!
建物の劣化状況を正確に把握したうえで、その建物に合った工法にて工事をご提案させていただきますので、
お気軽に、ご相談くださいませ!
それでは、この度も最後まで「リノブルスタッフブログ」をお読みいただきありがとうございました。
次回もよろしくお願いいたします!
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